パッキンの材料によく使用される言葉で、ゴム、エラストマー、熱可塑性エラストマー、プラスチック、樹脂とありますが、その中でもエラストマーについてどのような位置づけにあるのか、また区別が分かりにくいので簡単に整理します。
最近では、ゴムと言うかわりにエラストマーという言葉がよく使用されるようになってきました。エラストマーは、Elastic Polymer からきており、ゴム状の弾性体のことです。ゴムもエラストマーの一員であり、プラスチックつまり樹脂であっても、ゴムのような弾性体であればエラストマーになります。これらがウレタンエラストマーなどの熱可塑性エラストマー(TPE:Thermoplastic Elastomer)と呼ばれているものです。
多くの配合剤(充てん材、老化防止剤、可塑剤、架橋剤等)を原料ポリマーに配合し、架橋(加硫)工程を経て成形品になります。分子構造的には分子内に架橋点を持ち、3次元の網目構造になっているので、材料の流動性を防止することができます。ですから、高温において加圧されても分子が流動しないので熱変形しにくくなっています。逆に言い換えれば再成形が簡単でないことになり、現在の潮流であるリサイクルには向かない材料とも言えます。
プラスチックの成形と同じように射出成形により材料を溶融させて成形品となります。一般的には、分子内に架橋(結合している部分)はなく分子内の硬質層の分子グループにより分子を拘束状態にして流動することを防止しているだけで、高温で加圧されると塑性変形します。つまりゴムとは逆に再成形をすることができるので、その成形工程の単純化とあわせて、省エネルギー、省資源対策に適していると言えます。
このようにゴムと熱可塑性エラストマーは、それぞれ長所短所があり、現時点では、パッキン材料としてはまだゴムのほうが適していることが多く、熱可塑性エラストマーは、特殊な用途などに限定して使用されています。ゴムは、その長い歴史からもうすでに製品として成熟した感があり、現在のリサイクル問題等に対応する製品が市場に出てくる可能性が小さく、熱可塑性エラストマーは、まだまだ開発余地が残っているので、ゴムに近づけば近づくほど用途が広がると考えられますが、熱可塑性だけに難しい面はあります。
| 架橋ゴム,加硫ゴム(化学的分子内結合) | 熱可塑性エラストマー(物理的分子内拘束) |
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