ゴムの最大の特徴に、他の材料と比べて曲げたり、伸ばしたり、縮めたりと大きく変形させることがあげられます。この変形にかかる力の強弱、つまり硬さとか柔らかさという感覚的な表現を何らかの物理的手段によって測定する計測器を硬度計といい、その測定値を硬度といいます。測定方法や、硬度の表記方法も色々と種類があり、ゴム材料に適当なものを選定する必要があります。硬質ゴムのように硬いゴム製品とゴムスポンジのように柔らかい物を同じ測定方法で計測するのは、無理があります。
ゴムの硬度で従来から国内では、Hs(JISスプリング式 HsのHはHardness、sはspring)が多く使用され、「ゴムの硬度は?」との問いに「Hs70」とか「Hs50」などと表現していました。さらには、「70度」や、ただ「70」というだけでHsの単位であると理解されていました。しかしながら最近では、国際的な取引も多く、ISO(国際標準化機構)やデュロメータ(ショア)などに準拠したA型が使用されることが多くなりました。
また、ゴムのスポンジや軟質ゴムを測定する時によく使用されるものにアスカーC(ASKER C)があります。これは、日本ゴム協会標準規格(SRIS)に規定されています。
JIS規格、ASTM、ISO、SRIS、ゴム硬度の規格
規格 | 種類 | 硬度が50度の場合の表記方法 | |
---|---|---|---|
1秒以内(又は直ちに)の場合 | 15秒後の場合 | ||
旧JIS K 6301 (1998年廃止) |
スプリング式A型 | 50Hs JIS A | / |
スプリング式B型 | 50Hs JIS C | / | |
JIS K 6253 | デュロメータ タイプA (ショアA) |
A 50 | A 50/15 |
デュロメータ
タイプD (ショアD) |
D 50 | D 50/15 | |
デュロメータ
タイプE (ショアE) |
E 50 | E 50/15 | |
JIS K 7215 | デュロメータ タイプA (ショアA) |
HDA 50 | / |
デュロメータ
タイプD (ショアD) |
HDD 50 | / | |
ASTM D 2240 |
デュロメータ タイプA (ショアA) |
A/50/1 | A 50/15 |
デュロメータ
タイプD (ショアD) |
D/50/1 | D 50/15 | |
ISO 7619 | デュロメータ タイプA (ショアA) |
A/50/1 | A 50/15 |
デュロメータ
タイプD (ショアD) |
D/50/1 | D 50/15 | |
ISO 868 | デュロメータ タイプA (ショアA) |
A/50/1 | A 50/15 |
デュロメータ
タイプD (ショアD) |
D/50/1 | D 50/15 | |
SRIS 0101 | スプリング式 アスカーC型 |
ASKER C 50 (加圧面を接触させたとき、及び30秒後) |
スプリング式、デュロメーター、ASKER、ゴム硬度比較表