各種パッキン、リップパッキンやスクイーズパッキンなど
各種リップパッキンについて
Uパッキンとは、断面がU字形のリップパッキンの総称です。油圧、空圧のロッドやピストンに最もよく使用されています。皮を材料としていた昔は、Uの形をしていましたが、ゴムやプラスチックを材料にしている今では、Yに近いものや断面が非対称形になっているものなど様々な種類が各シールパッキンメーカーより市販されています。このパッキンの特長は、シール性もよく摺動抵抗も少なく、ゴム材料の選択によって、いろいろな温度や圧力、そして流体対象物などに適応できることです。またUパッキンがみぞにはみ出し、損傷することを防止するため、背圧によりパッキンが押出されてみぞにはみ出す場合は、背圧防止のためにみぞを付けたみぞ付きUパッキンを使用し、使用する圧力が大きくパッキンのヒール部が、はみ出す場合は、バックアップリングを使用します。
Uパッキンの断面形状
一般的なUパッキンの取り付けみぞ
はみ出し(高圧と背圧)
スティックスリップ現象
Vパッキンは、断面がV字形をしているパッキンです。油圧シリンダー用のパッキンとして使用されています。Vパッキンの使用方法は、圧力に応じて複数枚重ね、その上下に押さえとしてアダプタ(おす、めす)をはさんで組み込みます。JISで布入りゴムのVパッキン(F)とゴムのVパッキン(H)が規定されて、それぞれ使用目的に応じて用いら入れます。また、布入りゴムVパッキンとゴムVパッキンを併用する場合もあります。材料は、JISで規格化されている布入りゴム、ゴム以外に、テフロン(ふっ素樹脂)、皮などがあります。最近では、性能の良いUパッキンの登場で需要が減ってきていますが、大型機械の設備などでは、信頼性を買われてVパッキンを使用しています。
Vパッキンの詳細はこちら
Vパッキンの装着例
Vパッキンの装着数とアダプタおよびスペーサの材質
Vパッキンを切断して使用
テフロンVパッキン
Lパッキンは、断面がL字形をしているパッキンです。昔は、材料を皮を使用していました。現在では、様々な形状及び材料を使用したUパッキンにその地位を奪われつつあり、需要は減少傾向にあります。椀型パッキン、カップパッキンなどと呼ばれることもあります。
外部からごみや異物が浸入する雰囲気で、パッキンを使用する場合は、そのシールするシステムの最外部に必ずダストシール(ワイパリング、スクレーパとも言う)を使用します。ダストシールは、各シールメーカーから、使用目的によって様々な種類のものが市販されています。オイルの最終シールの役目をさせるリップを備えてダブルリップの形状になっているものや、金属環を備えたものなどもあります。
Oリング,Xリング,Dリング,Tリングについて
名称 | 断面形状 | コスト | ねじれ | 摩擦性 | 耐圧性 | 取り扱い |
---|---|---|---|---|---|---|
Oリング | ![]() |
○ | × | × | △ | ○ |
Xリング | ![]() |
△ | ○ | ○ | × | △ |
Dリング | ![]() |
△ | △ | × | △ | △ |
Tリング | ![]() |
× | ○ | ○ | ○ | × |
記号の意味○優れている△普通×劣る |
Xリングは、断面がXの字形をしたパッキンです。小さいつぶししろでよく、始動、運動摩擦ともに小さく、低圧で特に有効なパッキンです。ねじりにも強く(装着時は、ねじれやすい)、往復動、一部回転運動にも使用できますが、Oリングに比べて汎用でなくコストは、高くつきます。
Dリングは、断面がDの字形をしたパッキンです。往復運動用として、ねじれ損傷を防止できるのが特長です。Oリングより小さいつぶししろでよく、高圧では、バックアップリングを使用します。
Tリングは、断面がTの字形をしたパッキンです。小さなつぶししろで十分なシールができます。低圧のときは、振動に耐え摩擦抵抗も小さく、高圧では、バックアップリングを併用することで、広範囲の往復動および低速の回転、揺動用として使用されています。ただし、コストは高く、組み付け性に劣ります。
Tリング用バックアップリング
各シールパッキンメーカーから市販されているパッキンの使用適用範囲など
阪上製作所-パッキンの使用範囲
阪上製作所-パッキンの適用流体