Vパッキンは、断面がV字形をしているパッキンです。油圧シリンダー用のパッキンとして使用されています。
NBR(ニトリルゴム)布入りVパッキン
NBR(ニトリルゴム)を綿布にノリ引きをし、金型を用いて加熱、加圧成形したもの
規格: JIS B 2403 F
用途:シリンダーのロッドシール、ピストンシール、プランジャー、ラム、バルムステムなど
NBR(ニトリルゴム)Vパッキン
NBR(ニトリルゴム)を金型で加硫成形したもの
規格:JIS B 2403 H 、(AN6225、JIS W 1515)
用途:シリンダーのロッドシール、ピストンシール、プランジャー、ラム、バルムステムなど
ふっ素ゴム布入りVパッキン
ふっ素ゴムを綿布にノリ引きをし、金型を用いて加熱、加圧成形したもの
用途:150℃までの耐油、耐薬液のロッド、プランジャーなど
ふっ素ゴムVパッキン
ふっ素ゴムを金型で加硫成形したもの
用途:150℃までの耐油、耐薬液のロッド、プランジャーなど
テフロン® Vパッキン
テフロン® (PTFE)圧縮ロッドから切削加工したもの(バージン、充てん材入りなど)
用途:-100から+150℃に及ぶ温度範囲で、酸、アルカリ、薬液などの部分
皮Vパッキン
なめし皮を所定の形状に加圧加工したもの
規格JIS B 2403
NBR(ニトリルゴム)を綿布にノリ引きをし、金型を用いて加熱、加圧成形したもの
ふっ素ゴムを綿布にノリ引きをし、金型を用いて加熱、加圧成形したもの
テフロン®製、青銅製、アルミ青銅製など
青銅製、アルミ青銅製
Vパッキンの使用方法は様々ありますが、下記の図はその1例です。
Uパッキンなどは、一つの溝に対して1つのパッキンを装着する事が原則となっていますが、Vパッキンは、複数枚を重ねて使用されるのが通常です。いたずらに多く重ねて使用することは、潤滑切れの原因となり抵抗が大きくVパッキンあるいは相手の面を早く磨耗させ寿命を短くさせることになります。
圧力 MPa{kgf/c㎡} |
Vパッキン装着数 | アダプタの材質 | スペーサの材質 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
ゴム | 布入りゴム | 硬質布入りゴム | 青銅 | アルミ青銅 | 青銅 | アルミ青銅 | |
~3.9{40} | 3 | 3 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
3.9{40}~29.4{300} | 4 | 4 | △ | ○ | ○ | ○ | ○ |
29.4{300}~58.8{600} | ー | 5 | × | △ | ○ | △ | ○ |
58.8{600}~注1 | ー | 6 | × | × | ○ | × | ○ |
記号 ○:適合 △:使用条件を考慮する ×:不適合
注1:圧力が58.8MPa{600kgf/c㎡}以上になると、パッキンの数を増やす事は効果が少ないので、スペーサリングなどを使用する。
(注意)この一覧表は、あくまで目安としての参考ですので保証するものではありません。
Vパッキンは切断しても利用が可能です。機器を分解しなくてはならない、あるいは分解することが出来ない取り付け構造では下の図のように、バイアス・カットをして、装着の際、各切り口を180°あるいは90°ずつ交互にずらして積み重ねるとともに、安全のために1枚余分にそうちゃくするなどします。また、切断箇所からの漏れを少なくするために、パッキン底部の溝に断面がD形又はO形のフィラーリングを使用することも出来ます。