パッキン、テフロン、Oリング、フッ素樹脂、オイルシール、ゴムのパッキンランド

Oリングの材料/材質(参考 JIS B2410)

JIS規格は対応国際規格との整合性を充実させつつあり、Oリングもその流れによって見直しが進んでいます。JIS B 2401でゴムOリングの規定がされていますが、対応国際規格の一つであるISO 3601シリーズに合わせるようになってきています。その中で、Oリング-ゴム材料の選定指針としてISO 3601-5に対応するJIS B 2410が制定されています。
現状では、まだJIS B 2401に規定されているゴム材質が主流として流通しています。JIS B 2410にある材質の中には、汎用品として流通はしていないものがあることや、国際規格が採用している硬度とJIS B 2401で規定されている硬度とのズレなどがあり、取引きにおいては、物性を含め確認する必要があります。


Oリング用一般ゴム材料・材質(参考JIS B 2410,ISO 3601-5)

硬さを規定しているJIS K 6253では、国際ゴム硬さ(IRHD)とデュロメーター硬さの2種類の適用が可能とされていますが、JIS B 2401で規定するOリングのゴム硬さをはじめ、世界的にはデュロメーター硬さが使用されています。国際規格だけがIRHD硬さ表示を採用しています。
参考:ゴムの硬さ

基本材料 記号
(参考:JIS K 6397)
標準硬さ JIS B 2401
タイプA デュロメータ硬さ
国際ゴム硬さ(M法)
(IRHD)
デュロメーター硬さの増減
(タイプA)
ニトリルゴム NBR 70 0~+5
90 0~+2
フッ素ゴム FKM 70 +3~+4
80* +2~+4
エチレンプロピレンゴム EPDM 70 -1~+2
80* 0~+1
シリコーンゴム VMQ 70 -6~+1
アクリルゴム ACM 70 0~+4
水素化ニトリルゴム HNBR 70 +1~+3
80 -1~+2

備考1.ほかの硬さや材料は、用途によって適用可能である。 2.表示されている物理的特性、例えば、硬さは、試験片と実際のOリングでは異なることがある。 3.ゴム材料の呼び方は、記号、国際ゴム硬さの数値及び国際ゴム硬さの記号(IRHD)とする。例:NBR 70 IRHD
参考1.*:JIS B 2401で規定されていない材料 2.**:IRHDに対するデュロメータ硬さの増減を参考として示す。

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使用流体及び温度に対する適用ゴム材料

参考:JIS B 2410,ISO 3601-5

使用流体中の最高連続運転温度は一応の目安であって、同材質であっても、混合される添加物、例えば、可塑剤、充てん剤、老化防止剤及び酸化防止剤の種類並びに量にも影響しますので、全てのゴム材質において、一部または全ての使用流体に対して、まったく異なる物性を示すこともあります。実際に機器に対して使用される場合は、必ず試験片などによる実用試験で確認が必要です。

JIS B 2410を参考にしていますが、パッキンランド内の他の適合表との整合性は考慮していません。大まかに材質を分類しているため、流体によっては違う(逆の)適合性を示している場合もあります。必ず実際に使用するゴム材料で実用試験によって適合性を確認して下さい。

使用流体及び温度に対する適用ゴム材料

使用流体
鉱油系作動油
燃料
難燃性作動油
生分解性作動油
その他( 水/蒸気、空気、ブレーキ油)
ゴム材料の低温使用限界温度

(表の略語)N70:NBR 70 IRHD / N90:NBR 90 IRHD / F70:FKM 70 IRHD / F80:FKM 80 IRHD
E70:EPDM 70 IRHD / E80:EPDM 80 IRHD / Q70:VMQ 70 IRHD
HN70:HNBR 70 IRHD / HN80:HNBR 80 IRHD / A70:ACM 70 IRHD
NG:使用流体に適さない。 *:特に使用する流体に対し、異なる物性を示す。

材料 N70 N90 F70 F80 E70 E80 Q70 HN70 HN80 A70
鉱油系作動油 液体中の最高連続運転温度℃
エンジン油 100 100 150 150 NG NG * 130 130 130
ハイポイドギヤ油 90 90 150 150 NG NG * 110 110 110
自動変速機油 100 100 150 150 NG NG * 130 130 130
ISO 6743-4,HL,HM油
(作動油)
100 100 150 150 NG NG * 130 130 130
グリース 100 100 100 100 NG NG 100 100 100 100

N:NBR(ニトリルゴム)、F:FKM(フッ素ゴム)、E:EPDM(エチレンプロピレンゴム)、
Q:VMQ(シリコーンゴム)、HN:HNBR(水素化ニトリルゴム)、A:ACM(アクリルゴム)
NG:使用流体に適さない。 *:特に使用する流体に対し、異なる物性を示す。

材料 N70 N90 F70 F80 E70 E80 Q70 HN70 HN80 A70
燃料 液体中の最高連続運転温度℃
軽油 * * 150 150 NG NG NG * * NG
レギュラガソリン * * 150 150 NG NG NG * * NG
プレミアムガソリン * * 150 150 NG NG NG * * NG

N:NBR(ニトリルゴム)、F:FKM(フッ素ゴム)、E:EPDM(エチレンプロピレンゴム)、
Q:VMQ(シリコーンゴム)、HN:HNBR(水素化ニトリルゴム)、A:ACM(アクリルゴム)
NG:使用流体に適さない。 *:特に使用する流体に対し、異なる物性を示す。

材料 N70 N90 F70 F80 E70 E80 Q70 HN70 HN80 A70
難燃性作動油 液体中の最高連続運転温度℃
ISO 6743-4,HFA油
(5/95 水系)
60 60 60 60 NG NG NG 60 60 NG
ISO 6743-4,HFB油
(W/O エマルジョン系)
60 60 60 60 NG NG NG 60 60 NG
ISO 6743-4,HFC油
(水グリコール系)
60 60 NG NG 80 80 NG 60 60 NG
ISO 6743-4,HFDR油
(リン酸エステル系)
NG NG 150 150 80 80 NG NG NG *
ISO 6743-4,HFDS油
(塩素化炭化水素)
NG NG 150 150 NG NG NG NG NG *
ISO 6743-4,HFDT油
(HFDR油及びHFDS油の混合)
NG NG 150 150 NG NG NG NG NG *

N:NBR(ニトリルゴム)、F:FKM(フッ素ゴム)、E:EPDM(エチレンプロピレンゴム)、
Q:VMQ(シリコーンゴム)、HN:HNBR(水素化ニトリルゴム)、A:ACM(アクリルゴム)
NG:使用流体に適さない。 *:特に使用する流体に対し、異なる物性を示す。

材料 N70 N90 F70 F80 E70 E80 Q70 HN70 HN80 A70
生分解性作動油 液体中の最高連続運転温度℃
ISO 6743-4,HETG油
(植物油)
80 80 80 80 NG NG NG 80 80 NG
ISO 6743-4,HEES油
(合成エステル油)
60 60 100 100 NG NG NG 60 60 NG
ISO 6743-4,HEPG油
(ポリグリコール)
60 60 80 80 NG NG NG 80 80 NG

N:NBR(ニトリルゴム)、F:FKM(フッ素ゴム)、E:EPDM(エチレンプロピレンゴム)、
Q:VMQ(シリコーンゴム)、HN:HNBR(水素化ニトリルゴム)、A:ACM(アクリルゴム)
NG:使用流体に適さない。 *:特に使用する流体に対し、異なる物性を示す。

材料 N70 N90 F70 F80 E70 E80 Q70 HN70 HN80 A70
その他 液体中の最高連続運転温度℃
水/蒸気 80 80 100 100 140 140 100 130 130 NG
空気 100 100 200 200 130 130 200 130 130 130
ブレーキ油 NG NG NG NG 130 130 80 NG NG NG

N:NBR(ニトリルゴム)、F:FKM(フッ素ゴム)、E:EPDM(エチレンプロピレンゴム)、
Q:VMQ(シリコーンゴム)、HN:HNBR(水素化ニトリルゴム)、A:ACM(アクリルゴム)
NG:使用流体に適さない。 *:特に使用する流体に対し、異なる物性を示す。

材料 N70 N90 F70 F80 E70 E80 Q70 HN70 HN80 A70
低温 ゴム材料の低温使用限界温度℃
低温 -30 -30 -15 -15 -40 -40 -50 -30 -30 -20

(表の略語)N70:NBR 70 IRHD / N90:NBR 90 IRHD / F70:FKM 70 IRHD / F80:FKM 80 IRHD
E70:EPDM 70 IRHD / E80:EPDM 80 IRHD / Q70:VMQ 70 IRHD
HN70:HNBR 70 IRHD / HN80:HNBR 80 IRHD / A70:ACM 70 IRHD
NG:使用流体に適さない。 *:特に使用する流体に対し、異なる物性を示す。

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