パッキン、テフロン、Oリング、フッ素樹脂、オイルシール、ゴムのパッキンランド

カルレッツ Oリング(溝設計、装着について)

カルレッツOリングは、JIS及びAS568Aに基づいて製造されております。固定用シール及び運動用シールの溝寸法は JISが推奨する寸法を原則としていることをお勧めします。しかしながら、カルレッツOリングが、耐熱シールとして高温で用いられている場合は、Oリングの熱膨張も考慮しなくてはなりません。 また、溝の表面仕上げは、JIS-B2406に規定されている値を参考にします。

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Oリングのつぶし率について

カルレッツのつぶし率(中心値)の推奨値は、室温基準にて、以下のとおりで、原則としてJISB2406の値に基づいております。太いOリング程、つぶし率を小さくします。

固定用(円筒面溝)………………10-20%
固定用(平面溝)…………………15-25%
運動用(円筒面溝、油圧用)……10-18%

つぶし率が大きすぎると、Oリングにクラックが発生したり、ハミ出しが発生する可能性があります。特に高温でのシールで熱膨張が大きな問題となる場合はつぶしすぎに対して注意を払う必要があります。

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装着されているOリングの内径方向の伸びについて

溝に装着されているOリングの内径方向の伸びは1~3%が推奨値で、最大でも5%です。伸びが小さすぎると、Oリングはうまく固定されない可能性があります。また、伸びが大き過ぎるとOリング自身の内部応力により破損することもあります。

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カルレッツの熱膨張について

温度 膨張率%
線膨張 体積膨張
25 0 0
38 0.3 0.9
93 1.5 4.8
149 2.9 8.8
204 4.1 12.9
250 5.2 16.3
カルレッツの線形及び体積熱膨張率(25℃~)

カルレッツの25℃~250℃における線形熱膨張係数は、2.3×10-4/℃ です。これを体積膨張に換算すると、フッ素ゴムの場合より約50%増しとなります。エラストマーの中では、カルレッツの熱膨張は大きいため、特に高温シールで用いられる場合の設計の際に注意が必要です。熱膨張を考慮しないと、Oリングが破損するケースもあります。シール設計の際、まず最初にJISが推奨する溝寸法を採用することをおすすめします。多くの場合、それらの推奨溝寸法は、カルレッツにとって適切です。しかしながら、もし高温のシールの用途で溝の体積がO-リング体積に対し適切でなくなった時、フランジのすき間からのハミ出しで劣化したり、もしハミ出さなくても円周状のワレが発生する可能性があります。特に、200℃以上での使用を計画される場合、溝寸法を予めJIS規格等の寸法よりも10-20%大きく取られることをお勧め致します。

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ハミ出し

エラストマーシールのハミ出しは、シールの周囲の温度、圧力、エラストマーの物理特性及び溝のすき間と密接な関係があります。
エラストマーは一般的に最ももろい部品なので、もしハミ出しによる劣化が生じたらエラストマー材料の物性に対して適切な設計がなされていなかったという指針になります。
圧力によりエラストマーシールは変形し、溝のすき間からハミ出そうとします。多少のハミ出しは効果的シールを維持するかもしれませんが、もしハミ出しが大きければシール材は破損します。圧力が大きいほど温度が高いほど、溝のすき間が大きいほどハミ出しやすくなります。
カルレッツは、高温で用いることのできる唯一のシール材なので高温での用途例が数多くあります。しかしながら、高温においてカルレッツの硬度が軟化し、機械特性が落ちることを忘れてはなりません。ハミ出し現象は硬度の軟化及び機械物性の低下により起こりやすくなります。

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カルレッツ Oリング用 バックアップリングについて

中程度の圧力(70kgf/cm2>)及び温度(150℃)の条件でさえも、バックアップリングを装着することにより、Oリングに対する負荷をやわらげシールの長寿命化をはかることが期待できます。
Oリングは、応力によりつぶれ、溝形状に沿って変形するので、溝の角部にあたるOリング部分に負荷がかかります。この負荷を取り去るためには、溝の隅部のR加工が効果的です。もし、この負荷がOリング材料の引き裂き強度を超えてしまった場合は、Oリングに割れが生じます。このような場合には、低圧側にエンドレスタイプ凹型バックアップリングを装着することをおすすめします。コスト面での制約が強い場合、JIS-B2407等に定めるバイアスカットまたはエンドレスタイプでも有効です。
バックアップリングの素材は、密封する流体に対して耐腐食性をもった適切な材料であること、また、溝の寸法はバックアップリング分を考慮して広げます。 ハミ出しを避けるために、 1.溝のすき間はできるだけ小さくする。(0.05-0.15mm)
2.もし溝のすき間を小さくできない場合は、バックアップリングとして25%ガラス入りのテフロンをおすすめします。ただし、この際、バックアップリング分だけ溝の寸法を広げなくてはなりません。また、バックアップリングの内側のエッジは、適切な面とりが必要です。


円筒面使用の場合のエンドレスタイプ凹型バックアップリング寸法参考値

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圧縮永久ひずみ

圧縮永久ひずみは一般的にその値が小さいほどよいとされています。他のゴムと比べると、カルレッツの圧縮永久ひずみの値は大きいのですが、シール材としては問題なく機能します。
ただし、大きな熱サイクルや温度変化のあるような用途では、注意が必要です。カルレッツの圧縮永久ひずみは大きいため、このような条件では圧縮永久ひずみがシールの保持力と密接に関係してくるからです。
カルレッツが一定温度の高温で用いられている場合では、カルレッツは変形しつつも一定の形状を保ち長期にわたりシールします。ところが、熱サイクルがあるような条件では、温度が下がるにつれ体積が減少するにもかかわらず(熱膨張の逆)、高温時の変形していた一定形状を保とうとするため、シール力が減少しもれることがあります。この現象は熱サイクルの高温側が室温程度の温度の場合でも起きることがありますので、熱サイクルのかかる用途は特に注意が必要です。

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カルレッツOリング装着時の潤滑

エラストマーシールに潤滑剤をぬることにより、装着の際のOリングの磨耗やキズつけを最小限におさえることができます。できるだけカルレッツOリングにうすく潤滑剤をぬることをおすすめします。カルレッツOリングは、過酷な条件で使用されることが多いので、潤滑剤もその条件で炭化しないもの、劣化しないものを選ばなくてはなりません。フッ素系のオイルや、時にはグラファイト粉が潤滑剤として用いられます。また、シールされている流体が潤滑剤のはたらきをすることもあります。
なお、シール材にたとえ潤滑剤を塗ったとしても、注意深く装着しなくてはならないのは言うまでもありません。

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カルレッツOリング装着時の引き伸し

カルレッツの伸びは材質により違いがありますが、120~170%の間です。装着の際、引き伸ばしすぎてカルレッツOリングが破損しないように注意が必要です。
一般的に、装着の際のOリングのひき伸ばしは大きくても、破断時の伸びの50%以下にすべきです。
装着がむずかしい場合は、カルレッツOリングをお湯につけて、やわらかくすることをすすめます。
また適切な装着装置を使うことにより、シール材の破損を防ぐことが期待できます。

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高真空シール用途

一般的にシールの断面のつぶし率を大きくすればするほどガスの透過は減ります。

1.ガスがエラストマー中を透過する実質ルートが長くなる。
2.ガスが浸入できる表面の部分が減る。
3.溝表面の微小なでこぼこに対し、エラストマーがくいつき、微小リークを減らすことができる。

真空グリスを塗ることにより、ガスの透過をおさえることができます。ただし、真空グリスを塗って効果がでるのは、Oリングのつぶし率があまり大きくない場合、例えば、つぶし率が30%以下のような場合です。
真空シールの場合も、つぶしすぎは、特に高温シールの用途ではおすすめできません。カルレッツには大きな熱膨張があるので、つぶし過ぎるとカルレッツOリングに負荷がかかり、ワレ及びそれに伴うリークが発生します。
通常は、O-リング太さ4mm以上を前提として、15~20%のつぶし率(中心値)が適当と考えられます。特殊な超高真空の用途でも20~25%までが目安です。
面でシールするフェイスシールタイプも可能です。
寸法公差が小さいこと、外部にさらされるフェース面を小さくすること、適切なつぶしであることが、このタイプの設計では重要です。

どんなシールの条件においても、シール材料の重量減少は重大な問題です。時にシールの設計を変えることにより、シール材の重量減少が変わることもあります。シールの設計は、例えば以下のような事柄とかかわりがあると考えられます。

1.シール材の重量損失量
2.シール材のある温度における重量損失のスピード
3.重量損失によりなくなったシール材の成分
4.シール材が重量損失を始める温度

ガスの通過のないエラストマーはありません。ガスの透過を少なくする設計の検討及び真空装置によるテストは必要不可欠です。

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