フッ素ゴムは、ゴムの中でも抜群の耐油性を持ったゴムですが、最近では、そのふっ素ゴムにも多数の種類があり使用用途に合ったものを選択しなければならなくなっています。また、エンジンオイルなどにアミン系の添加剤などの使用よって従来からOリングやパッキンなどに使用していたフッ化ビニリデン系のふっ素ゴムが使用できないこともあります。耐油ゴムとしてふっ素ゴムを選択する場合でも必ずテストした上で用途、目的に適するか確認をし使用しなくてはいけません。
エンジンオイル中でのフッ素ゴムの物性低下は、熱による酸化劣化の影響より、主にゴムとエンジンオイル中の添加剤との反応に伴う架橋密度の上昇や表面効果に基づくことが推定されます。ベースオイル中浸漬だけではゴムの影響は小さく、とくに摩擦及び酸化防止剤としてエンジンオイル中に添加されているジアミルジカルバミル酸の金属塩(ZnあるいはPb)とゴムの相互作用が、エンジンオイル中のフッ素ゴムの劣化を促進することがあります。
主なフッ素ゴム
フッ化ビニリデン系ゴム(FKM)
Oリング、オイルシール、パッキン、ガスケットなど一番よく使用されている。
バイトン(デュポン)、ダイエルG(ダイキン工業)、ダイニオンなど
四フッ化エチレン-プロピレンゴム(FEPM)
アフラス(旭硝子)
四フッ化エチレン-パーフルオロメチルビニルエーテルゴム(FFKM)
カルレッツ(デュポン)、ダイエルパーフロ(ダイキン工業)
FKM:バイトンA,バイトンB,ダイエルG
FEPM:アフラス
FFKM:カルレッツ,ダイエルパーフロ/パーフロロエラストマー
| / | FKM | FEPM | FFKM |
|---|---|---|---|
| ガソリン | ○ | × | ○ |
| エンジンオイル | × | ○ | ○ |
| ギアオイル | × | ○ | ○ |
| 鉱油系グリース | ○ | △ | ○ |
| シリコーン系グリース | ○ | ○ | ○ |
| ふっ素系グリース | △ | ○ | ○ |
| ウレア系グリース | × | ○ | ○ |
| エチレンジアミン | × | ○ | ○ |
| メタノール | × | ○ | ○ |
| エタノール | △ | ○ | ○ |
| アセトン | × | × | ○ |
| MEK | × | × | ○ |
| エチルエーテル | × | × | ○ |
| 酢酸エチル | × | × | ○ |
| THF | × | × | ○ |
| 無水酢酸 | × | △ | ○ |
| 濃硫酸 | ○ | ○ | ○ |
| 塩酸 | △ | ○ | ○ |
| 硝酸 | × | △ | ○ |
| 水酸化ナトリウム | × | ○ | ○ |
| アンモニア水 | × | ○ | ○ |
| 冷却水 | × | ○ | ○ |
| スチーム(熱水) | × | ○ | ○ |
| 目安使用温度 | -20〜200℃ | -10〜200℃ | 0〜300℃ |
| 材料コスト比較 | △ | △ | × |
○:適合 △:チェックが必要 ×:不適 (耐油、耐薬品性の場合)
注意:この表は、あくまで目安としての参考ですので材料を保証するものではありません。
実際のご使用は、試験片などによる実用試験でご確認の上ご使用ください。