パッキン、テフロン、Oリング、フッ素樹脂、オイルシール、ゴムのパッキンランド

オイルシールのハウジングについて

材料

ハウジングの材料として、鋼や鋳鉄を用いれば、一般には問題がありません。軽合金や、樹脂は、熱膨張係数が、シールの金属環と異なりますので、高温時には、外周漏れやシール脱落の恐れがあります。硬さがシールの金属環より柔らかいため、ハウジングがかじられることもあるため、やむをえず軽金属や樹脂を使用する場合は、外周ゴムのオイルシールを使用するなど注意が必要になります。

穴内面の粗さ

オイルシールは、リップ先端と軸との接触部で漏れを防いでいるだけでなく、はめあい部でも漏れを防いでいます。表面の粗さが大きいなどハウジング穴のはめあい面とシール外周との密着度が良くないと漏れが生じます。一般に内部の粗さは、外周金属オイルシールでRa2.5a,Rmax10μm、外周ゴムオイルシールでRa4.5a,Rmax18程度が良いとされています。

公差

ハウジングの寸法公差は、オイルシールの呼び寸法が400mm以下であればJIS H8、400mmを超えるのであればJIS H7が適切です。オイルシールメーカー各社ともほぼこれを基準にオイルシールの外径寸法公差を定めているので、これ以外の公差では、オイルシールが装着しにくかったり、抜け出したりする危険があります。

各種オイルシールのハウジングの形状と寸法

(注)ハウジングの構造上、切断しなけば装着できないオイルシールは、1ヶ所切断しているため、はめあい力がほとんどなく多少の漏れは生じます。ハウジング穴は、オイルシールを正位置に取り付け、抜け出さないようにするために、両側から押さえ込む構造にしなくてはなりません。

内圧のかからない場合のハウジング穴の形状と寸法(一般オイルシール)

ハウジング穴の寸法(単位mm)

オイルシールの呼び幅(b) W1の最小寸法 B W2の最小寸法 オイルシールの呼び外径(D) K
6以下 b+0.5 1.0 b+1.0 50以下 D-4
6を超え10以下 1.5 50を超え150以下 D-6
10を超え14以下 2.0 150を超え300以下 D-8
14を超え18以下 2.5    
18を超え30以下 b+1.0 3.0 b+2.0    
内圧のかからない場合のハウジング穴

内圧のかかる場合のハウジング穴の形状と寸法(一般オイルシール)

ハウジング穴の寸法(単位mm)、押さえ板の寸法(単位mm)

ハウジング穴の寸法(単位mm) 押さえ板の寸法(単位mm)
オイルシールの
呼び幅(b)
W1 B オイルシールの
呼び外径(D)
K 最小板厚t
6を超え10以下 b+0.3~+0.5 1.5 50以下 d+3 3
10を超え14以下 b+0.4~+0.6 2.0 50を超え120以下 d+4 5
14を超え18以下 b+0.5~+0.8 2.5 120を超え250以下 d+5 8
18を超え30以下 b+0.6~+0.9 3.0 250を超え d+6 10
内圧のかかる場合のハウジング穴

軸径300mmを超える一般オイルシールのハウジング穴の寸法

軸径300mmを超える一般オイルシールのハウジング穴の寸法(単位mm)

オイルシールの
呼び外径(D)
K オイルシールの
呼び幅(b)
W1の
最小寸法
B
300を超え
400以下
D-10 6以下 b+0.5 1.0
400を超え
500以下
6を超え
10以下
1.5
500を超え
630以下
D-12 10を超え
14以下
2.0
630を超え
800以下
14を超え
18以下
2.5
800を超え
1000以下
18を超え
30以下
b+1.0 3.0
1000を超え
1250以下
- - -
1250を超え
1600以下
D-14 - - -
1600を超え
2000以下
- - -
軸径300mmを超える一般オイルシールのハウジング

切断式(金属環なし NOK、MG型)オイルシールのハウジング穴の形状と寸法

ハウジングの設計仕様

材質 熱膨張係数の小さい金属
内面粗さ Ra 4.5a,Rmax 18μm
加工方法 特に規制はありません。
寸法公差(呼び外径寸法400mm以下) JIS H8
寸法公差(呼び外径寸法400mmを超え) JIS H7

ハウジングの穴の寸法(単位mm)

オイルシールの呼び幅(b) W B
6以下 b -0.2~-0.1 1.0
6を超え10以下 b -0.3~-0.1 2.0
10を超え14以下 b -0.4~-0.1 3.0
14を超え18以下 b -0.5~-0.1 4.0
18を超え30以下 b -0.6~-0.1 5.0
30を超え b -0.7~-0.1 6.0

ハウジング穴、押え板及び押えボルト(単位mm)

オイルシールの呼び外径 C 押え板 押えボルト
最小板厚t K 寸法 本数(等配)
50以下 d+8 3 d+3 M6 4本
50を超え125以下 d+10 5 d+5 M8 4本
125を超え315以下 d+18 10 d+8 M10 6本
315を超え400以下 d+25 15 d+12 M12 8本
400を超え500以下
500を超え630以下
630を超え800以下 d+28 18 12本
800を超え1000以下
1000を超え1250以下 d+30 20 d+15 M16 16本
1250を超え1600以下
1600を超え2000以下
切断式オイルシールのハウジング穴の形状と寸法

外周シール型オイルシールの軸とハウジング(内面)、ハウジング穴の形状と寸法

外周シール型オイルシールの軸とハウジング(内面)、ハウジング穴の形状と寸法(単位mm)

/ ハウジング内面 オイルシールの
呼び幅(b)
B
材質 機械構造用炭素鋼 6以下 1.0
表面硬さ HRC30以上 6を超え
10以下
1.5
表面粗さ (3.2~1.6)μmRa,
(12.5~6.3)μmRy
(0.8~0.4)μmRa,
(3.2~1.6)μmRy
10を超え
14以下
2.0
加工方法 機械加工 送りをかけないグラインダ仕上げ 14を超え
18以下
2.5
寸法公差
(呼び外径400mm以下)
JIS h8 JIS H9 18を超え
30以下
3.0
寸法公差
(呼び外径400mmを超え)
JIS h7 - -
外周シール型オイルシールの軸とハウジング

Vリングの軸とハウジング、ハウジング穴の形状と寸法

Vリングの軸とハウジングの形状

/ 軸およびハウジング
材質 機械構造用炭素鋼
表面硬さ 30HRC以上
表面粗さ (3.2~1.6)μmRa
(12.5~6.3)μmRy
加工方法 機械加工

Vリングの摺動面の形状と寸法(単位mm)

軸径d B d1 d2 t
3以下 2.5 ±0.3 d+1 d+4 1.5
3を超え10以下 3.0 ±0.4   d+6 2.0
10を超え20以下 4.5 ±0.6 d+2 d+9 3.0
20を超え40以下 6.0 ±0.8 d+3 d+12 4.0
40を超え70以下 7.0 ±1   d+15 5.0
70を超え110以下 9.0 ±1.2 d+4 d+18 6.0
110を超え160以下 10.5 ±1.5   d+21 7.0
160を超え200以下 12.0 ±1.8 d+5 d+24 8.0
200を超え 20.0 ±3.0 d+10 d+45 15.0
Vリングの軸とハウジング、軸とハウジングの形状

Z型オイルシールの軸とハウジング、ハウジング穴の形状と寸法

Z型オイルシールの軸とハウジング

/ ハウジング
材質 機械構造用炭素鋼
表面硬さ 30HRC以上 特に規制はありません。
表面粗さ (0.8~0.4)μmRa
(3.2~1.6)μmRy
(1.6~0.4)μmRa
(6.3~1.6)μmRy
加工方法 機械加工

Z型、ハウジング穴の形状と寸法(単位mm)

軸径d d1
20以下 d+1.0
20を超え60以下 d+1.5
60を超え110以下 d+2.0
110を超え d+3.0
溝幅a 寸法公差
3以下 0~+0.14
3を超え6以下 0~+0.18
6を超え10以下 0~+0.22
10を超え18以下 0~+0.27
Z型オイルシールの軸とハウジング

割り型のハウジング

分割されているために真円度が出しにくかったり、合わせ面にずれが生じたりして漏れやすいので、できる限り割り型のハウジング構造は避けなければなりません。止むを得ず割り型ハウジングを用いる場合は、ずれや楕円になることを防ぐ加工をし、先に、ハウジングを組み合わせてから、外周がゴムのオイルシールを装着します。

軸端の面取り(一般オイルシール取り付け部) 単位mm

軸径d 面取り
d-d1
軸径d 面取り
d-d1
を超え 以下 を超え 以下
- 10 1.5 240 300 11.0
10 20 2.0 300 400 12
20 30 2.5 400 500 12
30 40 3.0 500 630 14
40 50 3.5 630 800 14
50 70 4.0 800 1000 18
70 95 4.5 1000 1250 18
95 130 5.5 1250 1600 20
130 240 7.0 1600 2000 20
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