Oリングのつぶし代は、密封作用に必要なシール力(密封力)、滑り抵抗、Oリングの永久ひずみなどの諸要素を考慮し、必要最小限度におさえなくてはなりません。
JIS規格のOリングでは、つぶし代の最大をゴム材料の圧縮永久ひずみを考慮して、約30%、最小をシールに必要な最低量として約8%におさえることを基本としています。
固定用(フランジ、平面)Oリングのつぶし代は、運動用Oリングより大きくとられることが多いのですが、一般的にゴムOリングは、つぶし代が約40%をを超えると圧縮割れをおこす可能性が大きくなりますので、固定用であっても慎重に設定する必要があります。
このOリングのつぶししろの設定には、流体による膨潤、高温域での熱膨張も考慮する必要があります。なおJIS規格の溝寸法では、Oリングが20%の容量増加をおこしても差し支えない値が設定されています。
また、ゴムOリングは、内径を伸張すると太さ(線径)が細くなるため、特に小径のOリングは、内径の伸ばし率の影響が大きくなることがあります。
その他、溝部の剛性不足によって、偏芯などのひずみをおこし、Oリングの各断面のつぶしが均一でなくなり、部分的につぶし代が不足し漏れの原因となる可能性があります。また溝部の剛性不足は、運動用Oリングでは、各断面の摩擦抵抗のばらつきによって、不均一な摩耗劣化や、ねじれの原因となり破損の可能性があります。
Oリング規格 JIS B 2401 P,Gのつぶし代
呼び番号 | Oリングの寸法 | つぶししろ寸法 | ||||||||
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運動用/円筒面固定用 | 平面固定用 | |||||||||
mm | % | mm | % | |||||||
太さW | 内径d | 最大 | 最小 | 最大 | 最小 | 最大 | 最小 | 最大 | 最小 | |
P3~P10 | 1.9±0.08 | 2.8~9.8 | 0.48 | 0.27 | 24.2 | 14.8 | 0.63 | 0.37 | 31.8 | 20.3 |
P10A~P18 | 2.4±0.09 | 9.8~17.8 | 0.49 | 0.25 | 19.7 | 10.8 | 0.74 | 0.46 | 29.7 | 19.9 |
P20~P22 | 19.8~21.8 | |||||||||
P22A~P40 | 3.5±0.1 | 21.7~39.7 | 0.6 | 0.32 | 16.7 | 9.4 | 0.95 | 0.65 | 26.4 | 19.1 |
P41~P50 | 40.7~49.7 | |||||||||
P48A~P70 | 5,7±0.13 | 47.6~69.6 | 0.83 | 0.47 | 14.2 | 8.4 | 1.28 | 0.92 | 22 | 16.5 |
P71~P125 | 70.6~124.6 | |||||||||
P130~P150 | 129.6~149.6 | |||||||||
P150A~P180 | 8.4±0.15 | 149.5~179.5 | 1.05 | 0.65 | 12.3 | 7.9 | 1.7 | 1.3 | 19.9 | 15.8 |
P185~P300 | 184.5~299.5 | |||||||||
P315~P400 | 314.5~399.5 | |||||||||
G25~G40 | 3.1±0.1 | 24.4~39.4 | 0.7 | 0.4 | 21.85 | 13.3 | 0.85 | 0.55 | 26.6 | 18.3 |
G45~G70 | 44.4~69.4 | |||||||||
G75~G125 | 74.4~124.4 | |||||||||
G130~G145 | 129.4~144.4 | |||||||||
G150~G180 | 5.7±0.13 | 149.3~179.3 | 0.83 | 0.47 | 14.2 | 8.4 | 1.28 | 0.92 | 22 | 16.5 |
G185~G300 | 184.3~299.3 |