Ｏリング用いろいろな溝寸法（JIS規格以外)

Ｏリング溝部の寸法設定

JIS規格など規格で推奨されている溝部の寸法や経験上の寸法が設定されてない場合は、下記を参考に設定することができます。但し、流体によるＯリングの膨張や高温で使用する場合の熱膨張などが予測される場合は、それらも考慮し、設定をしなくてはなりません。また、溝の隙間、粗さ、使用環境など様々な要因が影響しますので、実証テストなどで確認することも必要です。

Ｏリング溝寸法の設定手順

1.つぶし率の設定(使用範囲8～30%)

E(%):つぶし率　δ(mm):つぶし代(=W-H)
W(mm):Ｏリング線径　H(mm):みぞの深さ

2.充填率の設定(max90%)

n(%):充填率　G(mm):みぞ幅
W(mm):Ｏリング線径　H(mm):みぞの深さ

Ｏリングのつぶし率の目安

太いＯリングほど、つぶし率は小さくなります。

ピストン溝用
　油圧運動用　10～18%
　空気圧運動用　8～15%
　円筒面固定用　15～25%

ロッド溝用
　油圧運動用　8～15%
　空気圧運動用　5～12%
　円筒面固定用　10～20%

平面（フランジ)固定用　15～25%

*溝の容積は、流体の浸透による膨潤や昇温による膨潤を見込まなければなりません。

*Ｏリングの材質選定で収縮するような材料は避けなければなりません。

*つぶし率を大きくとり過ぎるとＯリングの破損の原因になることやはみ出しを起こすことがありますので注意が必要です。特に高温でのシールで熱膨張が大きな問題となる場合はつぶしすぎに対して注意を払う必要があります。

インチサイズの溝寸法
ISO(一般工業用)Oリングの溝寸法
あり溝寸法
三角溝寸法
回転用溝寸法
Ｏリングの取り付け部の面取り

インチサイズの溝寸法(単位mm)

運動用及び固定用(平面)としてMIL-G-5514-Fで規定されていますが、固定用円筒面は、経験的に下記の寸法を推奨しています。

固定用(平面)

Oリング太さ		溝深さ		溝幅		底半径
d2	許容差	ｈ	許容差	b	許容差	r1
1.78	±0.07	1.27	±0.05	2.39	0～+0.25	0.4
2.62	±0.07	2.06	±0.05	3.58	0～+0.25	0.6
3.53	±0.10	2.82	±0.05	4.78	0～+0.25	0.7
5.33	±0.12	4.32	±0.05	7.14	0～+0.25	0.7
6.98	±0.15	5.74	±0.05	9.53	0～+0.25	0.7

運動用

Oリング太さ		溝深さ		溝幅		底半径
d2	許容差	ｈ	許容差	b	許容差	r1
1.78	±0.07	1.425	0～+0.03	2.39	0～+0.25	0.4
2.62	±0.07	2.265	0～+0.05	3.58	0～+0.25	0.4
3.53	±0.10	3.085	0～+0.05	4.78	0～+0.25	0.6
5.33	±0.12	4.725	0～+0.05	7.14	0～+0.25	0.7
6.98	±0.15	6.06	0～+0.08	9.53	0～+0.25	0.7

固定用(円筒面)

Oリング太さ		溝深さ		溝幅		底半径
d2	許容差	ｈ	許容差	b	許容差	r1
1.78	±0.07	1.32	-0.05～0	2.54	0～+0.13	0.4
2.62	±0.07	2.11	-0.05～0	3.18	0～+0.13	0.4
3.53	±0.10	2.92	-0.05～0	4.32	0～+0.13	0.8
5.33	±0.12	4.57	-0.05～0	6.10	0～+0.13	0.8
6.98	±0.15	5.94	-0.05～0	8.00	0～+0.13	1.7

ISO(一般工業用)の溝寸法(単位mm)

固定用(平面)

Oリング太さ		溝深さ		溝幅		底半径
d2	許容差	ｈ	許容差	b	許容差	r1
1.80	±0.08	1.28	±0.05	2.6	0～+0.25	0.2～0.4
2.65	±0.09	1.97	±0.05	3.8	0～+0.25	0.2～0.4
3.55	±0.10	2.75	±0.05	5.0	0～+0.25	0.4～0.8
5.30	±0.13	4.24	±0.05	7.3	0～+0.25	0.4～0.8
7.00	±0.15	5.72	±0.05	9.7	0～+0.25	0.8～1.2

運動用(油圧用)

Oリング太さ		溝深さｈ		溝幅		底半径
d2	許容差	ピストン用	ロッド用	b	許容差	r1
1.80	±0.08	1.42	1.47	2.4	0～+0.25	0.2～0.4
2.65	±0.09	2.16	2.24	3.6	0～+0.25	0.2～0.4
3.55	±0.10	2.96	3.07	4.8	0～+0.25	0.4～0.8
5.30	±0.13	4.48	4.66	7.1	0～+0.25	0.4～0.8
7.00	±0.15	5.95	6.16	9.5	0～+0.25	0.8～1.2

運動用(空圧用)

Oリング太さ		溝深さｈ		溝幅		底半径
d2	許容差	ピストン用	ロッド用	b	許容差	r1
1.80	±0.08	1.46	1.57	2.2	0～+0.25	0.2～0.4
2.65	±0.09	2.23	2.37	3.4	0～+0.25	0.2～0.4
3.55	±0.10	3.03	3.24	4.6	0～+0.25	0.4～0.8
5.30	±0.13	4.65	4.86	6.9	0～+0.25	0.4～0.8
7.00	±0.15	6.20	6.43	9.3	0～+0.25	0.8～1.2

固定用(円筒面)

Oリング太さ		溝深さｈ-0.05～0		溝幅		底半径
d2	許容差	ピストン用	ロッド用	b	許容差	r1
1.80	±0.08	1.38	1.42	2.4	0～+0.25	0.2～0.4
2.65	±0.09	2.07	2.15	3.6	0～+0.25	0.2～0.4
3.55	±0.10	2.74	2.85	4.8	0～+0.25	0.4～0.8
5.30	±0.13	4.19	4.36	7.1	0～+0.25	0.4～0.8
7.00	±0.15	5.67	5.89	9.5	0～+0.25	0.8～1.2

あり溝寸法

Oリング、あり溝寸法図

あり溝(加圧用)

Ｏリング				G±0.05	G	H -0.05～0	R1	R MAX
規格	呼び番号	太さ(d2)	d2許容差	面取り前	面取り後	H -0.05～0	R1	R MAX
JIS B 2401	P3～P10	1.9	±0.08	1.55	1.71	1.4	0.15	0.40
	P10A～P22	2.4	±0.09	2.00	2.22	1.8	0.20	0.40
	P22A～P50	3.5	±0.10	2.95	3.17	2.8	0.20	0.80
	P48A～P150	5.7	±0.13	4.75	5.18	4.7	0.40	0.80
	P150A～P400	8.4	±0.15	7.10	7.64	7.0	0.50	1.60
	G25～G145	3.1	±0.10	2.60	2.82	2.4	0.20	0.80
	G150～G300	5.7	±0.13	4.75	5.18	4.7	0.40	0.80
AS568A	004～050	1.78	±0.07	1.47	1.61	1.30	0.13	0.40
	102～178	2.62	±0.07	2.16	2.43	2.01	0.25	0.40
	201～284	3.53	±0.10	2.95	3.22	2.79	0.25	0.79
	309～395	5.33	±0.12	4.45	4.86	4.34	0.38	0.79
	425～475	6.98	±0.15	5.94	6.35	5.77	0.38	1.59

あり溝(真空用)

Ｏリング				G±0.05	G	H -0.05～0	R1	R MAX
規格	呼び番号	太さ(d2)	d2許容差	面取り前	面取り後	H -0.05～0	R1	R MAX
JIS B 2401	P22A～P50	3.5	±0.10	3.05	3.27	2.5	0.20	0.80
	P48A～P150	5.7	±0.13	4.95	5.38	4.2	0.40	0.80
	P150A～P400	8.4	±0.15	7.35	7.89	6.3	0.50	1.60
	V15～V175	4	±0.10	3.45	3.77	2.9	0.30	0.80
	V225～V430	6	±0.15	5.25	5.68	4.4	0.40	0.80
	V480～V1055	10	±0.30	8.70	9.24	7.6	0.50	1.60
AS568A	201～284	3.53	±0.10	3.07	3.34	2.51	0.25	0.79
	309～395	5.33	±0.12	4.62	5.03	3.91	0.38	0.79
	425～475	6.98	±0.15	6.12	6.53	5.21	0.38	1.59

三角溝寸法

Oリング、三角溝寸法図

三角溝(参考)

Ｏリング				溝寸法
規格	呼び番号	太さ(d2)	d2許容差	G	G許容差
JIS B 2401	P3～P10	1.9	±0.08	2.45	0～+0.10
	P10A～P22	2.4	±0.09	3.15	0～+0.15
	P22A～P50	3.5	±0.10	4.55	0～+0.20
	P48A～P150	5.7	±0.13	7.40	0～+0.30
	P150A～P400	8.4	±0.15	10.95	0～+0.40
	G25～G145	3.1	±0.10	4.05	0～+0.15
	G150～G300	5.7	±0.13	7.40	0～+0.30
AS568A	004～050	1.78	±0.07	2.31	0～+0.07
	102～178	2.62	±0.07	3.40	0～+0.12
	201～284	3.53	±0.10	4.60	0～+0.17
	309～395	5.33	±0.12	6.96	0～+0.25
	425～475	6.98	±0.15	9.09	0～+0.38

回転動用溝寸法

本来、Oリングは、回転軸用には、使用範囲が狭く不向きですが、止むを得ず使用する場合は、注意が必要です。シール効果を保持するためには、摩擦熱発生を減らして発生熱を早く発散させることが不可欠です。溝は、必ず一般のオイルシールと同様にハウジング側に設けてOリングの内径側でシールするようにし、その周囲に熱がたまらないように設計しなくてはなりません。

Oリング、回転運動用溝寸法図

回転動用溝(参考)

Ｏリング				溝深さ(F) ±0.025	溝幅(G) 0～+0.13
規格	呼び番号	太さ(d2)	d2許容差	溝深さ(F) ±0.025	溝幅(G) 0～+0.13
JIS B 2401	P3～P10	1.9	±0.08	1.72	2.10
	P10A～P22	2.4	±0.09	2.21	2.60
	P22A～P50	3.5	±0.10	3.27	3.80
	P48A～P150	5.7	±0.13	5.39	6.10
	P150A～P400	8.4	±0.15	8.02	8.80
	G25～G145	3.1	±0.10	2.87	3.40
	G150～G300	5.7	±0.13	5.39	6.10
AS568A	004～050	1.78	±0.07	1.60	1.95
	102～178	2.62	±0.07	2.43	2.80
	201～284	3.53	±0.10	3.30	3.80
	309～395	5.33	±0.12	5.05	5.60
	425～475	6.98	±0.15	6.64	7.40

Ｏリングの取り付け部の面取り

Oリングの装着にあたってはOリングにきずがつかないようにグランドや、ピストンロッドなどの鋭利ながとはすべて図のようにします。

Oリングを装着するとき、圧力の出入穴など横穴部分を通るときは、Oリングが、傷つかないように面取りをし、ピストンシールの場合、Oリングが摺動する部分に、そのような横穴が絶対につかないような設計にします。

JIS B 2401 P , G , ISOサイズの取付け部、面取りの寸法表(Z)

取付部の寸法表(単位mm)
Oリングの呼び番号	Oリングの太さ	Z(最小)
P3～P10	1.9±0.08	1.2
P10～P22	2.4±0.09	1.4
P22A～P50	3.5±0.10	1.8
P48A～P150	5.7±0.13	3.0
P150A～P400	8.4±0.15	4.3
G25～G145	3.1±0.10	1.7
G150～G300	5.7±0.13	3.0
A0018G～A0170G	1.80±0.08	1.1
B0140G～B0387G	2.65±0.09	1.5
C0180G～C2000G	3.55±0.10	1.8
D0400G～D4000G	5.30±0.13	2.7
E1090G～E6700G	7.00±0.15	3.6

パッキンランド