オイルシールの取り扱い方法
(1)保管上の注意事項
(2)組込み
オイルシールの保管上の注意事項
オイルシールを保管する場合は、下記のことに注意します。また、運搬に関しても専用の運搬用治具などを用意するなどの注意が必要です。
- 不必要に包装を開封しない。(ゴミが付いたり、傷をつけたりするおそれがあります。)
- 長時間直射日光に当たらないようにする。(紫外線が当たると、ゴムの劣化を早めます。)
- 湿気の多いところには置かないようにする。(外周金属のオイルシールや、ばね入りのオイルシールは、錆びるおそれがあります。)
- 釘、針金などにオイルシールを引っ掛けたり、ひもを通してぶら下げたりしない。(オイルシールの変形や、リップ先端の傷の原因になります。)
- 高温の熱源のそばに置かない。(ゴムの劣化を促進します。)
オイルシールの組込み
- (A)組み込み前の確認
- (B)ハウジング穴への組込み
- (C)軸への挿入
- (参考)切断式(NOK製MG型など)オイルシールの組込み
(A)組み込み前の確認
- オイルシールにゴミなどの異物が付着していないか確認する。(付着していれば、使用する潤滑油で洗浄します。)
- 軸やハウジングにゴムなどの異物の付着、傷や錆びがないか確認する。
(B)ハウジング穴への組込み
- オイルシールの向きは、シールリップが密封対象物のほうに向くように装着します。
(オイルシールの向きの図)
- ハウジングへ装着するときは、組込み治具を使用しプレスで組み込みます。その時オイルシールは、ハウジング穴に対して必ず水平に置いて組込みます。
(組込み治具の良い使用例の図)
(組込み治具の悪い使用例の図)
(C)軸への挿入
- 組込みを滑らかにするために、軸表面およびオイルシールのリップの先端部に潤滑油、またはグリースを薄く塗布します。オイルシールに塗布するのは組み込む直前にします。塗布した状態で放置することは、ゴムの劣化を早めます。
- 重い軸や長い軸など中心を合わせることが困難な場合は、ガイドを使い軸が一方的にリップに当らないように工夫します。
- 溝にキー溝やスプラインがある場合は、下の図のようなカバーを使用します。
(カバーの図)
(参考)切断式(NOK製MG型など)オイルシールの組込み
- オイルシールの切断面は、必ず上側に取り付けます。
- オイルシールの切断面とばねのフック部は、約45°ずらします。
- 組込みの際に、最初に切断面を合わせ、そこからハウジングに押し込み、全体が入った後に全体が均等になるように調整します。
- 押さえ板のボルトは、均等の締め付けになるように対角に締め付けします。
(切断式(NOK製MG型など)オイルシールの組込みの図)